フィンランド生活3日目。〜サウナから湖ダイブ〜

サウナの真髄は丸裸で外気に触れること也
yuki 2022.08.19
誰でも

5時58分に起床。2階の寝室のドアを開け、バルコニーから湖を望むと、湖から出てくる日の出が美しい。実はコテージそのものは日本でもありそうな造りであるが、裏は森林、表は朝焼けが映える湖というのは、山岳国日本では見つけるのが難しいかも、と思う。しばらく朝焼けを見て、二度寝。6時53分に再び起床。雲ひとつない快晴。1時間が経過したのに、まだ太陽は低い位置にいる。バルコニーで太陽の日を真横から浴び、湖の波の音をBGMにして昨日の日記を書く。7時半ごろには一旦切りがつくと、太陽は高度を上げていた。直射日光+湖面の照り返しで太陽が当たっている身体の部分は暖かく感じるが、風が涼しくて心地よい。ちょっと眠くなってきたので、再び寝室へ。

ここからの眺めが最高でした。

ここからの眺めが最高でした。

この建物、日本で好かれる南向きではなく、東向きに建てられている。寝室の東側にあるドアは窓がなく、西側にはレースのカーテンのみの大きな窓がある。なんでカーテンが無いのか?と思いながらドアを閉めると、カーテンが無いのにも関わらず明るくないことに気づく。西側は森であるし、いくら太陽が出るのが早いとはいえ、太陽は非常にゆっくりと高度を上げていくために、朝型に西側から入る光量は少ない。逆に寒くなる夕方は、(森で遮られてるとはいえ)西日を利用して日の光で暖かくなろうとする意識が見える。とはいえ、まっくらじゃないと寝れない人が早く寝たい夏なんかはカーテンが必要ではないだろうか?と思いながら3度寝を楽しむ。8時半に完全覚醒するも、完全なる暇な時間が訪れる。イタリアの精神「何もしない歓び(Dolce far niente)」を噛みしめたのち、イタリア人でもないので「フィンランド語の教科書でも買って持ってくればよかったな」と後悔する。(この建物にネットはない)

さて一階におりて、新聞を見る。もちろん全くわからないが、天気予報の部分をチェックすると、2019年の8月4日の最低気温は-3.1度だったと思われる記述を発見。

画像左側、2019 -3.1度とのこと。ヨーロッパは日/月と記すので、4.8が8月4日だよ。フィンランドの新聞には世界の天気(バルセロナやドバイなど)も掲載。地味にドバイが45度でやばい。

画像左側、2019 -3.1度とのこと。ヨーロッパは日/月と記すので、4.8が8月4日だよ。フィンランドの新聞には世界の天気(バルセロナやドバイなど)も掲載。地味にドバイが45度でやばい。

8月に氷点下とか本当に違う国に来たんだな、と思う。さらにおそらく日の出・日の入り時刻が書かれたところを発見。Utsjokiでは3時に日が出て、23時半に日の入りらしい。3時間半しか太陽沈んでないのかよ。

ヘルシンキは5時日の出、9時45分日の入りなので、そこまで酷くはない。

ヘルシンキは5時日の出、9時45分日の入りなので、そこまで酷くはない。

さらにフィンランドの天気予報図の左側に注目。温度の上限が25度までで、下がマイナス30度まである。

氷点下のほうがバーが長いってどうゆうこと???

氷点下のほうがバーが長いってどうゆうこと???

ウッドデッキでヨガ、筋トレ(腕立てとスクワット)を行うと腹が減ってきたので、昨日のパーティーの残り物をバルコニーでいただく。

眼下に広がるムーミン谷を眺めながら、カレリアンピーラッカ(右下)、ディル×レモン×スモークサーモン(右上)、ポルッカナラーティッコ(左)を食べる

眼下に広がるムーミン谷を眺めながら、カレリアンピーラッカ(右下)、ディル×レモン×スモークサーモン(右上)、ポルッカナラーティッコ(左)を食べる

あまりに暇すぎるので、オリジナルのボードゲームを頭の中で考える。ここはフィンランド生活に全く関係がないので、この記事の一番下に書いておく(※参照)。

その後、Afrikan thaitというゲームをやった後、仮眠を取る。17時頃、義兄が迎えに来る。敷地広すぎる。そもそも家の前の庭にサッカーゴールがあるのが凄い。さらにはトランポリンもある。

手前に見えるのがサッカーフィールド。右奥にトランポリンが見える。右端の見切れてるのが納屋。

手前に見えるのがサッカーフィールド。右奥にトランポリンが見える。右端の見切れてるのが納屋。

建物としては、二階建ての家、納屋、サウナ、ジムがある。

 赤い建物がサウナ、その前のカバーが掛けてある灰色長方形が露天風呂。奥の白い建物がジム。

 赤い建物がサウナ、その前のカバーが掛けてある灰色長方形が露天風呂。奥の白い建物がジム。

さらに敷地内である森の中には焚き火所や(非常に簡素ではあるが)ウッドデッキもある。

秘密基地っぽくて羨ましい。家の中の写真は取ってないよ。

秘密基地っぽくて羨ましい。家の中の写真は取ってないよ。

自然派の人たちがこんなところで子育てしたいなぁーと憧れてる場所だ。とりあえずウッドデッキで彼のパートナーのお手製のブルーベリーケーキを食べる。美味しい。その後は彼らの子供によるルームツアー。

家の中が「おしゃれ」。語彙力のなさからそのオシャレ度が十分に表すことができなくて、彼らに申し訳ない。家が広く、すべての部屋は案内されなかったが、子供部屋①、子供部屋②、シアタールーム、リビングに案内された。子供部屋①は二段ベッドがあり、次男と三男が寝てるらしい。ハリーポッターの組分け帽子がおしゃれに飾ってある以外はオシャレ度は低く一般的な子ども部屋。子ども部屋②は長男部屋兼ゲーム部屋である。(推定)55インチ4kテレビと30インチモニターのPCがおいてあり、ゲームするのには最高の環境。さらに壁には複数の地図が飾ってあったが、どれもゲームのマップだと思われる(おそらくGTA,レッドデッドリデンプションなど)。

これが飾ってあった。最初、どこの国か必死に当てようとしたが、都市サイズに合わない地下鉄があったところから架空の地図だと判断。

これが飾ってあった。最初、どこの国か必死に当てようとしたが、都市サイズに合わない地下鉄があったところから架空の地図だと判断。

シアタールームは彼とパートナー専用?なのかな。フカフカの黒のソファの目の前には子供部屋の55インチのモニターと同サイズ程度のテレビがおいてあり、両側面の壁はブルーレイなどの光学メディアで埋まっている。PS5版エルデンリングのパッケージもあったので、おそらく彼もゲームをするのだろう。モニターが掛かっている壁の上部には、パルプ・フィクションとキル・ビルのポスターが額に入れて飾ってある。

最新鋭のテレビの上にこれを飾るセンスよ。

最新鋭のテレビの上にこれを飾るセンスよ。

ここでパルプ・フィクションを置くセンス・・・!と思って、「パルプ・フィクションええよね」とパートナーに伝えると、「キル・ビルもいい映画だよ」と返答があったので、彼がパルプ・フィクション、婚約者がキル・ビルが好きなのかな?となんとなく推測する。パルプ・フィクションの横に置くなら、ファイトクラブとかビッグ・リボウスキとかだろ、と思いながらパートナーと会話。俺もシアタールーム作ったら、パーフェクトブルーとかブレックファーストクラブのポスターを飾るかな。いやあえてもののけ姫と2001年宇宙の旅でもいいな、とあれこれ妄想する。

意識高すぎて「これモデルルームやん」と思ったのがリビング。まずは照明。天井からはイケアでみる謎のライトと、吊るされる球型のライトがある。

これと、

これと、

これ。

これ。

さらに部屋の隅にはカメラの照明のようなライトもある。南側は採光が十分取れそうな大きな窓があり、東や西側の壁は、きっちりとおしゃれ壁紙が貼ってあり、謎の円形がかすかりにあるのものがある。北側には、それぞれの出身地の白地図が飾ってある。

二人の故郷が白地図で飾ってあった・・・オサレ。。。

二人の故郷が白地図で飾ってあった・・・オサレ。。。

一番センスを感じたのが、東側の壁。北西側に玄関からの通路があり、東側の壁に(私だったら)テレビをかけたいところ。そこにアンディ・ウォーホルのマリリンモンローが掛けてある。

テレビ見るより名画を鑑賞するほうが時間が有意義だろ、という意思が見える。

テレビ見るより名画を鑑賞するほうが時間が有意義だろ、という意思が見える。

彼に「現代美術が好きなのか?」と聞くと、パートナーが好きとのこと。パートナーが他のアンディ・ウォーホルの作品を見せてくれた。俺もテレビ置きそうな所にジャクソン・ポロックやワシリー・カンディンスキーとか置きてぇと刺激された。逆に睡蓮とクリプトパンクを2つかけるとかもあり。ルームツアーが終わった後、彼の子供たちと遊ぶ。当初はスマブラSPで戦う予定であったが、起動するとアップデートがあり、待ちきれないということで外でサッカーやバトミントンを興じる。(青春のすべてをスマブラに捧げた日本の陰キャを舐めるなよ!と思っていたが残念ながらできず)。その後、焚き火場でこちらが持参したウィンナーを焼く。日本人なら網の上でやくところ、フィンランドは直火方式。

俺だけ木の棒を渡された。他の人は全員鉄なのに。べつにいいけど。

俺だけ木の棒を渡された。他の人は全員鉄なのに。べつにいいけど。

この方式だと全体がうまく焼けないので、片面だけカリッとするという結果に。それでもうまいけど。20時前には子供たちが寝る準備があるからということでお開き。家に帰る途中で道路整備をしており、片側交互通行になっていた。そろそろ20時になるのに、働いているんだ、と思う。ちなみに空は明るい。コテージに帰り、湖畔でスモークサーモンをつまみにフィンランドのビール、OLVIを飲む。

スモークサーモンと飲むより、ソーセージと飲んだほうが美味かったわ。

スモークサーモンと飲むより、ソーセージと飲んだほうが美味かったわ。

食べ終わるとサウナの準備をする。今回は昨日のように眠くないので、比較的しっかり入ることができ、「体調によってかなりサウナの気持ちよさが左右されるな」と思いながら汗を流す。「リッサロウリュウア(温度を上げろ!)」と言いながらサウナの石に水を掛けるとモワッと水蒸気が身体を包み込む。また昨日プレゼントしてくれたバスタ(葉っぱ)を初体験。水に浸しておいたバスタの余計な水をまず切り、そのまま背中や腕に叩きつける。水が腕に触れてすぐ蒸発して、気持ちいい。

ほどほどに身体があったまったところで一糸まとわぬ姿で外に出る。外気に触れる気持ちよさ。これこそがサウナの真髄だと感じた。20メートルほど歩き、湖に浮かぶデッキか膝まで水につけると心地よいが冷たい。しばらくして足を出し、全裸でデッキの椅子に座って、風が吹いた瞬間、頭の中に「自由」という言葉が浮かんでくる。ふと「俺は自由だ」とひとり頭の中でごちる。圧倒的開放感。下手なKing Gnuを歌っても誰も俺を止めるものはいない。身体が冷えてきたので、再びサウナに入る。今度は中でロンケロを飲む。美味しい。ロウリュウをしてしっかり温まったあと、再び全裸で外に出る。何も俺を止めるものはないと感じると自然と湖で泳いでいた。湖から上がって椅子でぼけーっとしているときに吹く風を感じて再び「自由だ」と感じる。フィンランドに来てから毎日サウナに入っているが、サウナのことをやっと1%くらいわかった気がする。再びサウナに入って湖にダイブして上がり、湖畔に浮かぶ赤い半月を鑑賞する。時刻が11時頃になってきたので、シャワーで温まり、バルコニーにあがり、再びOLVIを飲みながら再び波の音を聞いていくばくか過ごし、12時前には就寝する。

※ここから下は暇すぎて考えたボドゲ。

題して「黒の組織ゲーム」。プレーヤーは「組織」の一員になって、お金を集めるなどのミッションをこなし、ボスへの「信頼度」を高めて、指定されたターン終了時までに、組織全体で100億円を集めて、最も信頼度が高かったものが勝利となる。すごろくのようにサイコロを転がして、止まったマスでイベントがあり、「銀行強盗:成功報酬10億円+信頼度5。失敗時−1億円。信頼度−3。成功条件:協力者ゼロ人の場合 4-6の目をサイコロで出す。協力者1人の場合、3−6の目をサイコロで出す。協力者の信頼度成功時+4失敗時−2。協力者2人の場合2-6の目をサイコロで出す。協力者の信頼度成功時+3失敗時−1」などとなり、協力していけば、100億円は全員で集めれるので協力が鍵のゲームだ。

さてさて、このゲームの題名を「黒の組織」としてのは私の敬愛する名探偵コナンからである。そしてコナン世界における黒の組織といえばスパイ。スパイに選ばれた側は、100億を指定されたターンまで集めずに「信頼度」を上げていこう。100億円達成時点か指定されたターン終了でゲーム終了。このとき、各プレーヤーは「スパイ」だと思ったプレーヤーを摘発できる。スパイの摘発に成功すれば、ひとりごとに信頼度が倍になり、スパイ側は信頼度がゼロになる。逆にスパイではない人を摘発すると信頼度が半分になるので気をつけよう。なお摘発は信頼度の高い順に行われ、自分より2倍信頼度があるプレーヤーに対して摘発はできない。なお、100億円集まった時点でスパイ側の人間は信頼度に関わらず勝者にはなれず、100億円未達成の場合は組織側は信頼度に関わらず負けなので、どのプレーヤーも勝利しないこともある。(参加者全員がスパイであるが100億達成した場合など)。というのが大枠である。ボードゲームやったことない自分でさえ、似たようなゲームはあると漠然と思う。んじゃどこが他のゲームと差別化してあるの?ってことだが、このゲームのポイントは「スパイ側のほうが多い」ということ。スパイか組織の一員の分け方は、ゲーム開始時にカードを引いていくことで決定するが、原作リスペクトでスパイ7:組織3くらいの比率にしてみたい。(5人以上でプレイする場合は8:2)普通にやればクリアできるゴールをいかに気づかれずに失敗させるかどうかが肝になるゲームである。

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